omartha’s diary

本のこと、映画のこと、お化粧品のこと、食べもののこと。わたしが好きなものを綴る緩い日記。

映画:湯を沸かすほどの熱い愛

感動、せつなさ、強さ、弱さ、愛情、温かさ、人間らしさ・・・こんな言葉の全てが当てはまるステキな映画。

 

あらすじ(ちょいネタバレ)

宮沢りえ演じる″お母ちゃん″は、余命2か月。お母ちゃんは、余命告知を受けたその日だけ泣いて、残りの時間を子どものために使う。学校でいじめられて不登校気味の子どもを学校に行かせて強い子にすること、一年前にふらっと出て行って帰ってこない夫を探しだすこと、休業中の銭湯を復活させること、子どもに″あなたを産んだお母さん″は自分ではないことを伝えて生みの親に引きあわせること。そうやって″お母ちゃん″が子どものために費やした時間はちゃんと形になっていく。自分がいなくても、子どもがちゃんと生きていけるようになったときに、お母ちゃんは命を終える。

この映画が良かったのは・・・

①リアリティがあるような描き方になっていること。例えば、宮沢りえ演じる″お母ちゃん″も自分のお母さんと生き別れていた(捨てられていた)。やっとこさ母親を見つけだすが、「自分にはそんな娘はいない」と言われて会うことすら叶わない。余命2か月だし、感動の再会!的な設定にしたくなるところだが、そうはしないのだ。あとは、オダギリジョーが″ふらっと出て行ったまま帰ってこないお父ちゃん″を演じているんだけど、妻が余命2か月だと知り家に帰ってきても、いい加減な性格のまま。パチンコに行こうかな?って言ってたり、ヘタレすぎて緩和ケアで入院した妻のお見舞いに行けなかったり。改心しました!的な設定にしていない。人間、そんな簡単には変われないから、リアリティがあるんだと思う。

宮沢りえの演技がすごすぎる!こと。本当にすごい。いじめられて絵の具だらけになった子どもに「何色が好き?」と問いかけたとき、ベッドから出てこず学校に行かないという子どもに「行かないとダメだ」と格闘したとき、「死にたくない」と泣いたとき、ここには書ききれないほど、宮沢りえの表情が鮮明に思い出される。いや、宮沢りえに頭を洗脳されていると言った方が的確なくらい、私の頭は彼女でいっぱい。彼女の演技だけでも、十分観る価値あり!

 

ここ数ヶ月のなかで、いちばん心に残る映画だった。もう一度、観たいな。コンタクトがはまらなくなるくらい大号泣してしまう映画。友だちと、もしくはおひとりさまがオススメです。