小説:たった、それだけ(宮下奈都)
いわゆるジャケ買いしたこちら。宮下奈都さんの、たった、それだけ。
贈賄の罪が発覚しそうになり、突然姿を消す望月正幸。正幸がどんな人間だったのか、そして正幸のまわりの人間が抱く想いをそれぞれの視点で描く。
贈賄を告発する浮気相手、夫を待ち続け探し続ける妻、弟に何が出来たか思い悩む姉、父親の顔を覚えていない娘、満たされない想いを抱える娘を支える先生。贈賄が無ければ誰も感じるはずの無かった想い、交わることの無かった人生。贈賄、たったそれだけが無かったら・・・。
200ページほどの短編で、正直物足りなかった。はっきり描かれないのが良いのかもしれないけど。全部を言わないのが良いのかもしれないけど。もう少し描いてくれたら、感情移入できたかもしれないんだけどな。